東北の春。

2019年5月4日 / 旅

天候に恵まれたこの後半の休暇を、私は生まれて初めての青森で過ごした。

仙台よりも北といえば、一気に北海道だ。そして、中学の修学旅行で訪れた福島こそはあちこち回ったが、仙台はライブで寄った程度の感触で、駅の近辺を数往復したくらいの意識しかないため、ザ・東北たるイメージの地域を訪れるのは初めてだった。

震災の時に、わずかながらでもお金を落としに行かねば!と思ったものの、なかなかその機械には恵まれず、結局さほど影響がなかった弘前を訪ねたのは他でもない、友人が住んでいる、なんと10連休!ひょっとしたらあの弘前の桜と時期が重なるのではないか?!という3つの理由から。

トップシーズンにもかかわらず、交通費のみで宿泊地が約束されるなどという幸運に、今後も恵まれるとは思えない。

早々に友人の予定に合わせ、行きの飛行機をおさえた。

そして帰りである…。北陸新幹線が開通したときに、なんだかんだ言って、結局テツの要素があるっぽい私は、新しい新幹線につくづく乗りたいと思ったし、それ以上に憧れたのがグリーン車にも乗ったことがないのに、それをさらに上ゆくグランクラス。

グラン、その響きにもうっとりしたし、とにかく紹介の番組は齧り付くように見入ったものだ。そんなグランクラスが、東北新幹線にもあり、3時間以上乗車する道程。もう、乗るしかない!そう思った。

その瞬間から、グランクラスは桜に匹敵する目的となった。

飛行機は、出発こそ遅れたが、滞りなく青森空港に到着した。あっという間すぎてやや動揺するくらいだった。

ようやく機体が水平に保たれたように感じたと思ったら、機内アナウンスが「山形市街上空を飛んでいます」と言った。

山形は遥か遠くだと思っていたが、一瞬だった。飛行機とは本当にすごい。雪をかぶった尾根を眺め、コーヒーを一杯飲んだら、機体は下降を始めあっという間に青森に着いた。

空港からはバスで弘前へ。

空港敷地内を出るときに、ソメイヨシノが数本、散りだしてはいるが、半分以上花を残している姿を確かめて、間に合った!と嬉しくなった。

それ以上に不思議な嬉しさを覚えたのは、車窓の風景だった。リンゴの木に違いないと、大して知りもしないのに、背が低く横に広がり幾つも角度を変える枝ぶりの木を見て、私はそう確信していた。

なぜかといえば、ここが青森なのだと思うより先に、窓の隙間から入り込んでくるように感じたスースーした風が、爽やかな香りを運んできたからだ。リンゴの香りではないか?と外に目をやれば、木々が点々と立っていたのだ。着いたら友人に確かめよう。きっとリンゴの木だ。

古い記憶ではあるが、まるで、トスカーナを走り抜ける車窓から眺めたオリーブ畑のようだと思った。

4、50分の道のり。
バスの料金箱に千円を流し込んだのは一体どのくらいぶりだろう。懐かしさすら覚えた。
降りる前に、友人の姿が目に入り、思わず手を振る。バスのステップを弾むように降りた途端、冷たい強風に驚かされた。

駐車場まで歩く間に友人が「今日の風が強すぎて、桜が全部散っちゃうかもしれない。とにかくまず、見ておこう」と言うので、そのまま弘前城公園に向かった。
また夜に見ようねと、言いながら、歩き回った園内。

お堀周りのソメイヨシノはほとんど葉桜に変わっているようだった。この日の強風で午前中に随分散ったのは事実だと思うが、ソメイヨシノには、間に合わなかったのだなと少しがっかりしたのは事実。

しかし、園内には隆盛を迎えた枝垂桜がとにかくたくさんあった。

枝垂桜は単独で色っぽいイメージを持っていたが、ここでの枝垂桜には少なくともそんな感じはなかった。単独で咲き誇っている姿もあるにはあったが、それはここでは例外。広場を取り囲むように満開の枝垂桜が並んでおり、私はとても驚いた。

相変わらず風が強くて、さらには寒い。日差しは出ていたが、やはり東北はまだ春が来たばかりなんだ、ようは三寒四温の真っ只中なんだ…!東京だって、先日までは私はセーターを着ていたもの。

などと考えながら風を遮るように襟元を掴んだりポケットに手を突っ込み首をすくめ、もしかしたら生まれて初めてかも、と思うくらいじっくり長々と花を見た。

そして、友人宅へと身を落ち着けて日が暮れた頃、食事と夜桜を楽しむために再ひ外出。
まだまだ風は吹きすさび、昼間に輪をかけて寒さを感じながらも、公園に近づくにつれて、昼間見たのとは全く違う光景に胸が踊った。

桜は、上野公園などで見る印象よりも背が低い。だからとても目線が近く、その桜を下から照らすぼんぼりの背も低く、それが点々と続くお堀沿い。灯りはそのままお堀を湛える水に写り幻想的だ。

園内はもっと艶やかだった。かなり散ったはずのソメイヨシノすら、蘇ったように見えるライトマジック。赤紫蘇のような色をしたガクの影響なのか芽吹いてきた小さな葉などは、白熱灯の明かりを受けてうっすらピンクに見えてくる。

そして、枝垂桜たちは一気に艶やかさを放っていた。

2時間近く園内を彷徨い夜桜を楽しんだ。

こちらは、弘前雪明り。市内で発見された八重咲きの品種。平成二十九年に新品種として認定されたんだって。

出店の数も驚くほど多く、懐かしさすら感じないくらい、再放送かなんかで見た古い映像で知ったようなお化け屋敷やオートバイサーカスに驚く。

21時を過ぎても絶えることのない人の多さにも驚かされながら、
あっという間に終わってしまう短い春を存分に楽しもうとしている、この時ばかりに稼がなければ、と張り切る地元の方々の熱気を心地良く楽しんだ。

この日の歩数、23,838歩。

まだまだ続く。










にほんブログ村 英語ブログへ にほんブログ村 英語ブログ 英語独学へ にほんブログ村 ライフスタイルブログへ にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代おひとりさまへ にほんブログ村 その他日記ブログ 50代 日々のできごとへ

コメントはこちらから

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。また、* が付いている欄は必須項目となります。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

SEARCH

 

最新記事

My another Blog






CATEGORIES

ARCHIVES

Tags

TOP