『博士と狂人』-The Professor and the Madman

久しぶりに映画館へ足を運んだ。
いつぶりか…と思いつつ、ブログを見返して驚いたこと。ゴッドファーザーが最後ってこたぁない。
私、『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』のレビュー(と言ってよいのやら)を投稿していなかったのね。
コロナ禍で、映画館の座席が、市松模様状態の席数販売のとき、いろーんな問題を全部うっちゃって言わせてもらうと、ものすごく良かったの。
映画の座席なんて以前に比べたら断然良くなったし、広くなったよね、わかってる。でも私はやっぱりパーソナルスペースが広めの人間らしい。
それはさておき、本当は『マイ・バッハ 不屈のピアニスト』を観るつもりで母から株主優待券をいただいたのに、上映スケジュールが合わなさすぎたのと母と母の友人の不評も手伝って、見送り、チケットの期限ギリギリで、やっと観たいとすんなり思えるのきたー!となったのが、本作品でした。
オックスフォード英語辞典を編纂するという偉業を描く映画だと知って、みたいみたい!!と思ったものの、あらすじなども特に入れておらず、映画は冒頭から驚きの連続でありました。
ネタバレというのが、どのくらいのレベルをいうのかよくわからないので、ここからはネタバレあります、と言っておきますね、念の為。
博士がメル・ギブソンで、狂人がショーン・ペーン。ですがショーン・ペーンも元軍医であり博士です。そして、辞書編纂をするのがメルギブソン。そのこだわりとか作業への没頭っぷりは十分狂人レベル。
時代背景は、まぁオックスフォード英語辞典の編纂する頃なのでね。19世紀なのかな?印象としてはシャーロックホームズよりちょっと後、エルキュールボアロよりは前という感じでしょうか?
とても、とてもいい作品でした。
メルギブソンの恰幅とか、随分ときっちり老いたのね。でも昔のメルギブソンよりだいぶ好きかな、とか思いながら、バッドボーイズの頃からの変わらない危うさと脆さを抱き続けるショーンペーンを久々に堪能してきました。
物語は、追っ手から逃げるために渡英したアメリカ人が、自分の命を狙う追っ手なのだと思い込み、無関係の英国人男性を射殺してしまうところから始まる。裁判で追っ手が来るという幻想に取り憑かれた狂人として、病棟送りになった元軍医。一方、これまでにない英語辞典の編纂という大作業に躓き行き詰まったオックスフォードの権威たちに雇われたスコットランド人が全ての英単語を載せるため、広く語彙や引用を集めようとボランティアを募る。そこに手を挙げたのが軟禁状態のショーンペーンです。二人は単語とその引用についてのやりとりで親交を深め、友人となる。しかし…、って感じです。実話に基づいております。
あ、そういえば彼は最初は博士じゃなかった。編纂の過程で博士号を得るのだから…、、と考えたら、タイトルはもっと深い意味があるのかもしれない。
そういうあれこれを、数日経ってからもふと考えてしまうような、奥行きのある映画でした。
しばらくは顔を近づけて尋問するようなシーンとか、怒鳴るように話す場面に遭遇すると、飛沫が!とか密でしょう、とか思ってしまう自分に愕然としたけれど、いつの間にかあまり考えなくなっていたのも感慨深い。
映画館、9月中旬から全席に客を入れることになって、ほぼ満席状態で観ました。これはゴッドファーザー以来です。
コロナに対して、まだ何も手にしていなくとも、日常に戻りつつある今日この頃ですが、やっぱり映画っていいですね。
今回、映画館が久しぶりだったからか、上映が延期になっていたものが一気におしかけてきたのか、予告がどれも素晴らしくて、次に何を観ればいい?!とひとりで盛り上がり中。

