『ヨルガオ殺人事件』

この続編にあたるヨルガオ殺人事件(Moonflower Murders)を読みました。
読む前から思っていたんだけども、装丁デザインが素敵!カササギ殺人事件もだけど、二冊揃ってますますいい味だしてきますよねー。ブックカバー付けたくないなーと思わせてくれる文庫ではありませんか?
カササギ殺人事件のちょっとしたネタバレになるかもですけれどもね。
前作を読み始めた時点で、続編があるって言われた私はまあまあ混乱しておりました。主役の探偵がガンで余命宣告を受けていたのですよ、冒頭から。
え?探偵代わるの?みたいな。
続編を読んでいる母に問うたわけですが、そんなわけないじゃないと返されたからまたびっくり。
さて、物語は、前作よりも当然後の話になるものの、かつて出版されていた探偵ピュントが活躍した『愚行の代償』が現実の事件の大きな鍵となる、そんな展開でありました。
なるほど。上手い手を考えたものね、と唸りましたよワタクシ。
それも、前回は作家の書いた推理小説が物語の前半を作り出していたのですが、今回は逆。作家が書いた小説が登場するのは後半から。それまでは、その後半の小説を読む前に本作の中で実際に起きた現在の事件についての元編集者の視点での考察が繰り広げられるというものでした。
これまでに数多の推理小説が世界中で描かれてきたであろうと思いますが、こんな手法はあったんだろうか?全く読まないよ、っていう人よりは読んできた、かなり自信なさげに述べるしかないワタクシにはこれまで、風の便りにも触れ合ってきたことのない、そういう技を見せつけられたのでございます。
とにかく、気になった方には強くお勧めしたい、そういう逸品といえる小説でございました。
そして、読まれた方に聞いてみたい。
ワタクシ、作中の作家アラン・コンウェイのイメージが完全に故・フィリップ・シーモア・ホフマンなのですが、貴方は?と。

