東北の春・其の参
帰る日。
当初の予定より早く、友人が仕事に行かなければならなくなり、私は弘前駅のミスドで本を読んだりしながらのんびり電車の時間まで過ごそうということになった。
駅まで送ってもらい、とにかくありがとうと繰り返し、仕事へ向かう友人を見送った。
朝からクロワッサンを3つも平らげた私には、ドーナツをいただく余裕はない。それでも、昨晩と同じく、せめて野菜をと頼んだミネストローネにコーヒーという、胃の中のクロワッサンを必死で膨らまそうとしているような二品で、長居を決め込んだ。トイレが我慢できなくなった頃に、新青森へ向かい、今度は新幹線を待つ。
こうして乗り込んだグランクラス。

最高の気持ちになる瞬間である。夢見た座席。

わーこんなにリクライニングが細かく動く!写真も撮りまくったし、座席は気がすむまで動かしまくったが、可動でき過ぎてもはやベスポジが探せない。窓の景色も独り占め。最高。
吉田羊さんの20代の頃を思わせるようなアテンダントの方が、おしぼりを持ってきてくれて、しばらくしてから飲み物のサービスが。

こうなったらと、シードルをいただく。

リンゴジュースもいただいた。飛行機のときは実に慌ただしかったな…と思いながら、これから3時間強をこの環境で過ごすことを心強く思う。

余談だが、このとき渡された、コースターがすごかった。滑り止め効果が抜群である。ペラっとした薄い紙ではあるが、細工がしてあるのは指感触でもすぐに分かる。試しに無しでグラスを置いたら、小刻みな振動とともにトレイを流れようとする。それがピタリと動かなくなる優れものだ。
軽食も素晴らしかった。

きっと、そんなものすごく美味しいわけじゃないんだと、勝手に低く見積もっていたが、和食に飢えていたのもあってか、ものすごく美味しかった。
花蓮根柑橘甘酢が特に良かった。あまり好まないイクラを口にしたのは一体何年ぶりだろうかと考えたけれど、十年どころじゃないと思う。美味しくいただけて驚いた。

通路を挟んだ隣のこの席に座ったおじさんはずーっと寝息を立てていた。
寝入ってしまうなんて何度も乗っているからなのだろうか。その割には写真をたくさん撮っていたが。私はアイマスクをいただいたが、ちょっと眠る気にはなれない。
飲み物はたくさん用意されていて、悩ましいほどだが、ウイスキーはメーカーズマークのみだった。なので、この席でへべれけになるような失態はない。
気づいたら、仙台を過ぎ、次は大宮と言う。3時間半はあっという間かもしれないなと驚かされた。
こうして、あっという間に、本当にそんな感じに、上野に着いてしまった。
一車両、16人の乗客のみしか見ていなかった4時間弱。驚くほどの人人人にビビりながら家路へ。
私のGWメインはこうして終わった。
次は必ずソメイヨシノが満開の時に!!
そして、弘前、実に良かった。

