『なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか』を読んでみた。

2022年2月17日 / よむ-書評というほどでもないけど

 

よく見るYou tube チャンネルで、紹介されていて、タイトルが気になったのでとりあえず読んでみた。不思議な本でした。

まず、この人の料理人としての道の歩き方という感じで、どんな風に一流と言われる料理人になったのか。

次に、サイゼリヤでのバイト。

最後に、読書の重要性とか経営者としてのあり方。

 

構成はこんな感じでした。

 

サバンナ思考とマヨネーズ理論。

著者が繰り返し唱えるサバンナ思考とは、ものすごくシンプルに言えば「サバンナを生きる、どちらかというと草食動物のような意識を持って生きよ」というようなこと、だと思われる。

そこに、マヨネーズ理論というのが足されたものが、料理人修行時代に発揮されるわけです。

マヨネーズ理論というのは、一流に教わるということで、このあたりは是非本書を読んでいただければと思いますが、とにかくこの二つの独特の単語を、著者は繰り返します。

 

これが、私にはするっと入ってこなかったために、出てくるたびに一度止まってしまいました。

 

 

サイゼリヤ時代

この部分に最も興味があったので、この本を手に取ったわけなのですが、意外とあっさりしていたなという印象です。

しかしながら、星付きレストランのシェフがどのような目線で、ファミレスの中でも低価格帯のサイゼリヤをどんな風に見、感じるのかという部分は、とても面白く、この部分をもっと掘り下げて欲しかった気がします。

サイゼリヤには行きたくなりました。

そして、よく言われるところの、『企業努力』の何たるかを垣間見ることができました。

 

不思議な本だと感じた、超個人的感想。

 

著者の村山さんは、一流料理店で修行を重ねて、自分のお店を持つまでに、きっちりと大変な修行時代をこなされます。

その中で、先述のサバンナ思考とマヨネーズ理論を編出し、手応えを感じられたのでその方法を高めてゆくわけですが、自分のお店を持って、オーナーシェフになった時点で壁にぶつかるのです。

自分を高めてくれたこれらの技が通じないというか、人間関係も悪いしお店も回らなくなってしまって、このままじゃダメだと、サイゼリヤでのバイトという藁にすがることになります。

本書の3分の1を割いて熱く語った部分は、自分を成長はさせたが、それだけだった、そんな風にも読めてしまって、じゃあ、ダメだったんじゃないの?このやり方。って、?が頭の中にたくさん浮かんでくるのです。

プロセスの中に必要なことなのだろうし、それこそ、サバンナ思考があってこそ、更にこういう部分を掛け合わせたからなんだよ、っていうのも十分に分かるのですが、後半を読んでいけばいくほど、前半部分の提唱理論の熱量が疑問に思えてしまいました。

 

そして、村山さん、表紙にも「偏差値37のバカが見つけた必勝法」と書き添えてあるくらいなので、もはやこれは編集側が推した奇抜なコピーなのかもしれないけど、自分のことをバカバカ言い過ぎなのです。

嫌味に感じるくらい。

私、自分のことバカって言う人は、本当はバカだと思っていないと思っているので、その言葉が出てくるたびに、しんどくなるんですよね。

 

そして、バカと天才は紙一重、と言う言葉が示すように、一点突破で一つに突き抜けた結果それ以外がまるでダメみたいな人、そっちサイドの存在なんて、いまや誰でも知っているじゃないですか。

 

偏差値37って、とあるテストの平均点を取った人の偏差値が50なんですよね?

確かそんな話だったと思います。たくさんのことを経験してきた大人の、長い人生のとある時点のアチーブメントテストとか模試の偏差値を提示されても困ります。

 

それに、何の科目の37?

まさか、平均が?平均って出されていた記憶ないので、ないとは思いますが…。

 

数学だったら私も40あたりは取ったことあります。

私の弟などは数学は76でしたが、国語が35とかで、家族会議にかかったことがあります。

 

いまのあなたがすごいから過去にもちょっと興味を持つけれど、そのおバカ時代の集大成のように偏差値を出されても、困ります。

プロを交えた県内の彫刻コンテストで1位を獲った人なんでしょ?って、後半読んでいて、違和感が色々ありました。

 

 

第5章の、読書の重要性を訴える部分、ここが一番の肝だと私は思いました。ほんと、読書って大事だよねと。

電車の中でスマホでゲームばかりしている人たちを憂いたり、隙間時間で本をよむ、本気で読む、みたいな部分は強く共感できますし、他人の本の読み方って、すごく面白い。

料理人かつ経営者の著者が、この本で語る偉人が、松下、本田そしてウォーレンバフェットなのは、ある意味興味深いですが、面白くない。ならでは、の名前が欲しかった。

私はレストランやホテル業務のホスピタリティとかお客を観察する目というものに畏敬の念を抱いているので、そういう本を紹介して欲しかったと思ってしまう。一流から学べと著者が言うように、あなたの一流部分を、もっと覗かせてほしい。

 

まとめ

思うに任せて書き殴った気がしますが、面白かったのです。

私は職人気質がとても好きで、伝統工芸などの継承者が減る中で、一番身近な職人といえば、料理人だと思っています。

料理人って、その道に入るのが、やりたいことがわからない、とか言っている人々の中で言えば、だんとつで、覚悟を決めたすごい人たちじゃないですか。

そんな職人気質がね、経営についても頭を悩ませなければならない、従業員たちの暮らしを守らなければならない、そうか、オーナーシェフってそういうことなんだ、と認識を改めたのです。

プライドなんて高くて当たり前だし、そうあってほしい。ただ、どういうプライドを持つかが大事なのであって、ただのマウンティングマウンテンのトップクライマーの料理なんて食べたくありません。

村山シェフはそういうひとではないんです。

だから、絶対ラッセでコースをいただいてみたい。

そう強く思ったのでした。

 

 

 










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